抄録
食餌, 特にエネルギーの過剰摂取は, 種々の生活習慣病につながることは良く知られている。そして, 食餌量を制限すると, 寿命の延長がみられることが, ラットやマウスなどの齧歯類をはじめとして, さまざまな動物で報告されている。また, 加齢に伴う各種疾患の発症抑制や, がんや高血圧, 糖尿病などの生活習慣病, さらにアレルギーに代表される自己免疫疾患の発症が抑制されることが知られている。しかしながら, 食餌制限によりこれらの疾患の発症が抑制されるメカニズムについては未だ不明な点が多い。そこで, 本研究では食餌制限による疾患抑制のメカニズムを明らかにする目的で, 特に免疫機能に焦点を当て, 制限食によるグルココルチコイド, その他のサイトカイン類の変動が免疫機能発動にどのように影響しているかを明らかにした。