神経治療学
Online ISSN : 2189-7824
Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
原著
ウエアリング・オフを呈するParkinson病患者に対するistradefyllineの効果:ドパ反応性の良好な症例をターゲットにして
冨山 誠彦今 智矢船水 章央上野 達哉羽賀 理恵西嶌 春生新井 陽鈴木 千恵子布村 仁一馬場 正之
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2017 年 33 巻 6 号 p. 642-645

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抄録

Istradefyllineはウエアリング・オフのあるParkinson病患者の運動症状を改善する.しかし実臨床ではistradefyllineが有効でないこともしばしばあり,どのような患者にistradefyllineが有用なのか迷うことも多い.そこでウエアリング・オフがあり,オン時の運動症状が軽度なParkinson病患者(オン時のUPDRSパートIIIスコアが15点以下)を対象にistradefylline 20mg/日の有効性をオープンラベル試験にて評価した.14例の患者が8週間の試験を終了できた.Istradefyllineの追加投与により,オン時のUPDRSパートIIIスコアが有意に低下し,オフ時間が有意に短縮した.そのうちの13例は試験終了時にParkinson病症状の改善を自覚しており,istradefyllineの内服継続を希望した.ウエアリング・オフがあり,オン時の運動症状が軽度でドパ反応性が保たれている患者でのistradefyllineの有用性が示唆された.

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© 2017 日本神経治療学会
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