本論文では,街歩き旅行中の写真撮影の促進に焦点を当てたスマートフォンベースの街歩き支援システムを提案する.システムはWeb上で共有されている写真の位置情報を用いて,高頻度で写真撮影が行われているエリアを特定する.ユーザがこのエリアに入った場合,システムはスマートフォンの振動によってこれをユーザに通知する.このとき,スマートフォンの画面には旅行者の現在位置を中心とした高頻度撮影エリアの位置関係のみが表示され,地図や経路などの詳細情報は表示されない.これは,周囲の環境に対するユーザの意識を高めることを目的とした設計である.実装したシステムを用いて8名の参加者を対象とした街歩き実験を実施した.その結果,システムによる情報の提示が旅行者の意識や興味を周辺環境に引き付けるトリガとなり,特に写真撮影が多くない旅行者の写真撮影枚数の増加につながることが確認された.