知能と情報
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原著論文
2次接触者への通知機能を有するCOVID-19接触確認アプリCOCOAの感染者数削減効果の検証
大前 佑斗豊谷 純原 一之權 寧博高橋 弘毅
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2021 年 33 巻 3 号 p. 697-710

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抄録

COVID-19の感染者数を削減するため,厚生労働省は,2020年6月にCOVID-19 接触確認アプリCOCOAを開発・リリースした.これにより,アプリ利用者は,PCR検査によって陽性判定となった感染者との接触の有無を知ることができる.接触通知を受け取った人が外出を控えることで,社会全体の感染者数を削減することが可能である.一方,2020年10月現在において,COVID-19の感染は収束していない.そのため,従来のCOCOAよりも効果的に感染者数を削減できる追加機能があることが望ましい.本論文ではこの機能の1つとして,2次接触者への通知機能を提案する.これは,感染者と接触した1次接触者のみならず,1次接触者と接触した2次接触者についても,接触情報を通知する機能である.本研究では,2次接触者への通知機能を持つCOCOAが有する感染者数の削減効果を検証するため,これを表現可能なシミュレータを開発した.本論文ではこの実装過程について言及し,感染者数削減効果を報告する.

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© 2021 日本知能情報ファジィ学会
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