本研究では,情報システムを用いた創造的活動のファシリテーション方法を取り上げ,創造的な認知活動の促進にどのような要因が関連しているのかに着目した.ここでは,事例生成課題を用いて,どのようなインタフェースや対話方法が認知活動に有用なのか,実験的な検討を行った.実験1では,擬人化や物理的な実在性といったデザイン要因を検討し,ロボットを用いたファシリテーションは,統制条件のファシリテーションがない場合よりも創造的な認知のパフォーマンスを促進することが明らかになった.実験2では,実験1で有用性が確認されたロボットを用いたメタ認知活動を促す対話方法が創造的認知のパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを検討した.その結果,ファシリテーション内容の確認を導入した場合のほうが,導入しなかった場合よりも創造的な認知のパフォーマンスを促進することが明らかになった.