2020 年 33 巻 2 号 p. 150-158
本研究はインプラントの傾斜角度20°と30°において,インプラント体とアバットメントの嵌合角度8°と10°および上部構造の高径の大きさ(C)/インプラント体の長径(I)の比(0.93および1.33)が,最大曲げ荷重とカラー部のひずみに及ぼす影響について検討を行った.その結果を以下に示す.
C/I=0.93のインプラントの傾斜角度20°と30°における最大曲げ荷重は,嵌合角度8°が嵌合角度10°よりも大きかったが,変形量には嵌合角度の影響が認められなかった.一方,C/I=1.33のインプラントにおける傾斜角度20°と30°の最大曲げ荷重と変形量の両者ともに嵌合角度の影響が認められなかった.
傾斜角度20°,C/I=0.93の条件下でカラー部のひずみが0.1%生じた荷重は嵌合角度8°で400 N,10°では300 Nであった.傾斜角度30°の場合は嵌合角度8°と10°とも200 Nの荷重であった.次いで傾斜角度20°でC/I=1.33,嵌合角度8°では350 Nから0.1%以上のひずみが得られ,10°においては300 Nからであった.傾斜角度30°の場合は嵌合角度8°と10°ともに200 Nで0.1%のひずみが生じた.C/I=1.33において,傾斜角度20°のインプラントに800 N負荷したひずみと傾斜角度30°のインプラントに450 Nを負荷したひずみはほぼ同じであった.
インプラントの埋入時には,傾斜角度と上部構造の高径とアバットメントの嵌合角度を熟慮することが必要であることが示唆された.