2020 年 33 巻 4 号 p. 360-365
目的:本研究の目的は,インプラント体の表面性状の違いが隣接するインプラント間の骨吸収に影響を与えているのか評価することである.
対象および方法:明海大学PDI東京歯科診療所において,2004~2014年までにインプラント治療を行った者のなかから,同一表面性状のインプラントを隣接して2本以上埋入した患者のなかから上部構造装着後3年以上経過した者を抽出し,表面性状の違う2群に分け放射線学的測定を行った.比較したインプラントの表面性状は,プラットフォームから3 mmが機械加工,先端までが粗面加工のもの(A群)と,プラットフォームから先端まで粗面加工のもの(B群)を使用した.隣接するインプラント間距離による比較も行い,各項目の比較にはMann-WhitneyのU検定を行った.
結果:インプラント間距離が3 mm以上の群において,B群のほうが水平的骨吸収量,垂直的骨吸収量ともに小さい傾向にあった.しかしながら,インプラント間距離が3 mm未満の群ではAB群双方の間での差がないことがわかった.
考察および結論:今回の研究では,インプラント表面性状の違いによる骨吸収の統計学的有意差を認めた.しかしながら,インプラント間距離が3 mm未満の群では表面性状の違いによる影響を受けていないことがわかった.インプラント間の骨吸収の保全には,全面が粗面加工されたインプラント体を用い,適切な距離を保つことが有効であると考える.