インプラント治療の際の骨造成に用いる材料には,人工骨と自家骨がある.広範囲にわたる外側性の骨欠損に対する骨造成には,自家ブロック骨移植が最良とされ,そのドナーとしては腸骨を選択することが多い.その際,成人の場合は一般的に腸骨陵よりブロック骨を採取するが,術後の形態的および機能的な問題を生じることが少なくない.
今回,我々は腸骨内板よりブロック骨を採取して,高度に吸収した上顎欠損部に骨造成を行った.8か月後,同部にインプラント埋入術を行い,さらに7か月後に二次手術を行った.その2か月後にはプロビジョナルレストレーションを装着して,インプラントに対する荷重を開始した.5年3か月経過した現在も,移植した骨は安定しており,インプラントの状態も問題なく経過している.