日本口腔インプラント学会誌
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症例報告
腓骨を用いた上顎再建例に対し広範囲顎骨支持型装置で咬合回復した1例
柳井 智恵是澤 和人近澤 俊郎簗瀬 麻衣子小倉 晋
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2026 年 39 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

悪性腫瘍切除後に生じる広範囲顎骨欠損に対する再建後の補綴治療は,機能回復の観点から依然として課題が多い.本報告では,上顎悪性腫瘍に対して右側上顎全摘および遊離血管柄付き腓骨皮弁による上顎再建が施行された症例に対し,固定性の広範囲顎骨支持型補綴を適用し,良好な咬合回復が得られた1例を報告する.

患者は58歳,男性.上顎顎義歯装着時の違和感および咀嚼困難を主訴に当科を受診した.固定性補綴装置による機能回復を希望したため,腓骨による再建骨に広範囲顎骨支持型装置を埋入し,二次手術時に皮弁減量および口腔前庭形成術を併用した.最終的にスクリュー固定式の広範囲顎骨支持型補綴を装着し,咬合回復を図った.補綴装置装着後,咀嚼機能および口腔清掃状態は良好に維持され,7年以上の経過観察においても広範囲顎骨支持装置周囲組織および補綴装置は良好に経過している.本症例より,腓骨による上顎再建例に対する固定性の広範囲顎骨支持型装置を用いた治療は,適切な軟組織管理を併用することで,長期にわたり安定した口腔機能回復が可能であることが示唆された.

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