抄録
頭頸部癌学会の全国悪性腫瘍登録報告書からの集計では,口腔癌Stage分布の年次推移に最近20年間変化はみられず,現在でも進行癌が多い。一方,中咽頭,下咽頭では,早期病変で診断・治療される割合が増加している。
口腔癌の早期診断のためには,早期癌の病態および前駆病変の臨床・基礎医学的なデータ蓄積と検討が必要である。しかし,咽頭表在癌とは異なり,口腔表在癌の定義づけがなされていないため,口腔上皮性異形成(OED),上皮内癌(CIS),上皮下層浸潤癌(SCC-SM)を「口腔表在性病変」として検討を行った。
口腔表在性病変の診断のゴールド・スタンダードは生検による組織診断であり,細胞診は補助診断として有用であるが,病変の中心部からのサンプリングが重要である。また,OEDの治療管理に関する明確なコンセンサスはないが,軽度異形成やOEDを伴わない病変からも悪性化することがあり注意を要する。
口腔表在性病変の診断と治療について,現状と課題について報告する。