日本口腔腫瘍学会誌
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下顎歯肉に発生した色素性母斑の1例
玉城 廣保山田 博基藤本 和久高橋 洋平
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キーワード: 色素性母斑, 母斑細胞, 歯肉
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1991 年 3 巻 1 号 p. 64-69

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抄録
われわれは下顎歯肉に発生した色素性母斑の1例を経験し報告した。患者は27歳の女性で, 初診は1986年3月27日, 主訴は左下顎歯肉の小腫瘤である。腫瘤の大きさは8×8mm大でドーム状を呈し, 顆粒状の褐色斑が混在していた。腫瘤の増大傾向はみられず, 同年3月31日, 局所麻酔下で腫瘤を切除した。組織学的には胞体の明るい母斑細胞からなる細胞巣が観察された。母斑細胞は類円形細胞が主体で紡錘形のものを含み, 一部の母斑細胞群はjunctionalに増生していた。S-100蛋白に対し, 母斑細胞はつよい抗原性を示した。確定診断は色素性母斑 (複合型) であった。術後経過は良好で4年が過ぎているが, 今のところ再発は認めていない。
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