吸入ステロイド薬投与中の12~16歳の喘息児70名をダニとスギの特異的IgEクラスをもとに低感作群, ダニ優位感作群, スギ優位感作群, 高感作群に分類し, 各群の年齢と性別, 呼吸機能, バイオマーカー (呼気NO, 総IgE, 末梢血好酸球数), 吸入ステロイド薬用量, ペット特異的IgE, そしてバイオマーカー間の相関関係や呼吸機能とバイオマーカーの相関関係を比較検討した. 各群で, 年齢と性別と呼吸機能は有意差を認めなかった. バイオマーカー値は低感作群<スギ優位感作群<ダニ優位感作群<高感作群の傾向を認め, 末梢気道でのType 2活性化に差があると推定された. ダニ優位感作群の呼気NOと総IgE, スギ優位感作群の呼気NOと好酸球数は正の相関傾向を認め, 好酸球数/総IgE比はスギ優位群で有意に高値であった. ダニ優位感作群の呼気NOと%V50は有意な負の相関を認めたが, 他の群では有意な相関関係を認めなかった. ダニとスギの感作パターンをもとに分類したフェノタイプには, 気道炎症と呼吸機能低下の病態に差異があると推定された.