日本小児アレルギー学会誌
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原著
0歳児における20分ゆで卵白経口負荷試験の安全性の検討
崎原 徹裕川満 豊
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ジャーナル 認証あり

2019 年 33 巻 1 号 p. 106-116

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抄録

 【目的】日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会より 「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」 が公表され0歳児の鶏卵経口負荷試験 (OFC) の需要が高まっている. 0歳児のゆで卵白OFCの安全性を検討した.

 【方法】目標総負荷量1/2個のゆで卵白OFCを行った0歳児を対象に陽性率, 重症度を検討した.

 【結果】陽性率は確定診断OFCで43.2% (16/37例), 安全摂取可能量および耐性確認OFC (症状誘発歴からOFCまでの期間中央値3か月) で80.6% (29/36例) であった. 前者では卵白, オボムコイドsIgE高値, 後者では完全除去がOFC陽性に関連した. 陽性45例中Grade 2の症状は27例 (60.0%) で未摂取と完全除去が, アナフィラキシーは4例 (8.9%) で未摂取が関連した.

 【結語】0歳児の総負荷量1/2個の卵白OFCは陽性率が高く, 症状誘発からの期間が短く, 総負荷量が多かったためと考えた. 未摂取や完全除去では強い誘発症状の割合も高くなりプロトコル設定に注意する.

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© 2019 日本小児アレルギー学会
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