日本小児アレルギー学会誌
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原著
ヘーゼルナッツ食物経口負荷試験の臨床的特徴に関する検討
國上 千紘今井 孝成佐々木 郁哉関 沙和山下 恒聖大川 恵髙木 俊敬本多 愛子岡田 祐樹神谷 太郎
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2025 年 39 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

【目的】日本における小児を対象としたヘーゼルナッツ食物経口負荷試験(oral food challenge:OFC)の報告は1報のみで,陽性率は10%とされている.当科のヘーゼルナッツOFCを集計し,その特徴を評価した.

【方法】2013年1月から2022年12月に実施したヘーゼルナッツOFC(負荷目標量1g・10g)を対象とした.診療録からOFC結果と患者背景,ヘーゼルナッツ特異的IgE値の関係などを後方視的に検討した.

【結果】対象は96件,負荷目標量は1 g 48件,10 g 48件であった.OFC陽性は1 gが19%,10 gが15%で,アナフィラキシー誘発率は1 gが6%,10 gが4%であった.単変量解析でOFC陽性と関連する因子は認めなかった.ヘーゼルナッツ特異的IgE値の95%陽性予測値は算出できなかった.

【結論】ヘーゼルナッツOFCは,重篤な症状が起こりうる.実施する際は十分に事前準備を行い臨むべきである.

単施設で行った総負荷量1gと10gのヘーゼルナッツ食物経口負荷試験を後方視的に検討した。OFCの陽性率は1g群19%、10g群15%で、アナフィラキシー誘発率は1 gが6%、10 gが4%であった。単変量解析でOFC陽性と関連する因子は認めなかった。 Fullsize Image
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