日本小児アレルギー学会誌
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原著
現行の指導法で防げなかったアドレナリン自己注射製剤(エピペン)による大腿部切創例
迫 貴文今給黎 亮
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ジャーナル 認証あり

2025 年 39 巻 2 号 p. 137-141

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抄録

エピペン使用時の不十分な固定による外傷性有害事象の報告が複数あり固定時の姿勢等について考察されているが,エピペンが体から完全に離れるまでは固定を緩めてはいけないという記載はない.症例は4歳10か月の男児.クルミおよびカシューナッツアレルギーに対し完全除去を指示しエピペンを処方した.クルミを含むお菓子を誤食しアレルギー症状を生じた.母親がエピペンを大腿部に押し付ける時は十分な固定を行っていたが,エピペンが体から離れる前に固定を緩めてしまったために児が動き右大腿に切創を生じた.来院時アレルギー症状は消失していたが切創は瘢痕を残した.針が自動で収納されると誤認していたためエピペンの針が飛び出した後すぐに固定を緩めてしまい切創につながった.現行の資料や指導法で事前の固定はできていたことから,エピペンの先端を押し付けている間は針が露出し続けていることが理解されていれば切創を防ぎ得たと考えられ,処方時の説明にこの点を加えるべきである.

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