小児歯科学雑誌
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臨床
歯冠周囲歯肉に過誤腫が認められた第一大臼歯萌出遅延の4例
一瀬 智生
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2009 年 47 巻 3 号 p. 494-499

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抄録
萌出障害の原因を確認するため,萌出遅延とされた第一大臼歯の歯冠周囲歯肉の組織学的検査がなされてきている。いちのせ小児歯科において,口腔内視診とエックス線写真で歯原性腫瘍や歯牙腫,あるいは異所萌出を認めない第一大臼歯の未萌出症例のうち,歯胚の位置,歯根の形成状態,他部位第一大臼歯との比較等により,萌出遅延と診断された4 例に対し,歯冠周囲歯肉の病理組織検査を行い検討した。1 .口腔内視診とエックス線写真では明らかな病変を有さず萌出遅延と診断された第一大臼歯4 例(上顎3 例,下顎1 例)の歯冠周囲歯肉には,歯原性上皮小塊を多数含む過誤腫病変が認められた。2 .これら第一大臼歯は,エックス線写真では歯槽骨内から歯肉内への萌出(顎骨内萌出)が障害されていた。3 .処置として,開窓を行い経過観察したところ,3 例で萌出傾向が認められた。萌出傾向が認められなかった1 例には,牽引処置を行い適切な位置に萌出させることができた。4 .第一大臼歯の歯胚の形成に遅れが認められる場合は,処置を行わず経過観察する1)。しかし,歯胚形成が正常である場合,第一大臼歯の萌出遅延は,咬合育成のためにできるだけ早期に着手するのがよいと思われた。
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© 2009 日本小児歯科学会
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