小児歯科学雑誌
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総説
乳歯根管治療の現状と可能性
八若 保孝
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2009 年 47 巻 5 号 p. 710-718

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抄録

乳歯の根管治療において炎症のコントロールと歯根吸収のコントロールを行うことができれば,良好な予後が獲得できる。しかし,複雑な乳歯根管系や生理的歯根吸収の存在により,理想的な根管治療が可能にならない場合が認められる。現段階では,根管壁の細菌(バイオフィルム)およびリーミング・ファイリング操作により形成されたスメア層を効果的に除去することが重要である。次亜塩素酸ナトリウムおよびEDTA と超音波の併用による根管洗浄により,根管壁のスメア層などの除去が可能となる。 これにより,根管貼薬剤の効果を十分に利用すること,並行して根管内および根尖周囲に対して水酸化カルシウム製剤の効果を発揮させることができ,根管治療の予後が良好になると考えられる。さらに,セメント質添加による乳歯歯根修復機構に関する研究を含め,良好な方法の開発・発見に努力が必要である。

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© 2009 日本小児歯科学会
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