小児歯科学雑誌
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自閉症児の齲蝕罹患状況と口腔保健行動について
森主 宜延神田 光一徳留 隆子田中 千穂子井上 昌一
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キーワード: 自閉症, 齲蝕, 歯科保健
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1982 年 20 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

自閉症児と歯科医療についての報告は,その必要性が高いにもかかわらず非常に少ない.著者らは今回自閉症児を対象とした療育活動グループ“日曜学級”とともに歯科保健を実践する機会をえることができ,このような場で歯科保健を自閉症児に導入するのには,いかなる問題が存在し,いかなる方策をとるべきか検討し,次のような結果を得た.
自閉症児の齲蝕罹患状況は健常児に比べ差は認められなかった.又家庭で実施されている歯科保健行動も健常児とほぼ同じであった.
自閉症児の保護者には保健指導を受け入れる用意は既に存在していた.又保健指導には積極的に反応し,保健行動にも改善が認められた.以上の結果から,自閉症児に対する歯科保健指導の導入は充分な効果が期待できることが示された.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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