小児歯科学雑誌
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下顎未萌出側方永久歯群長の予測式の比較に関する研究-『総当たり重回帰分析法』によって算定された予測式と他の予測式との比較・検討-
平田 順一高須賀 三郎成原 雅道成田 寛治大竹 邦明赤坂 守人深田 英朗
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1985 年 23 巻 2 号 p. 340-350

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抄録

臨床で応用されている未萌出側方永久歯群長の予測式が,それぞれどのような特徴を有しているのかを把握することを目的として,盛んに使用されている小野,モイヤース,浜野,そして平田の式について比較・検討したところ,二,三の知見を得たのでここに報告する。資料は,中切歯から第1大臼歯までのすべての永久歯が咬合を開始したもので,しかも臨床上正常と思われる歯列を有する小児男児23名,女児22名,合計45名の上下顎口腔模型である。
これらの予測値と実測値の誤差の絶対値について検討したところ,男児よりも女児の場合が若干誤差が少なく,平田の予測式の誤差の絶対値が最も小さかった。この誤差の各予測式毎の度数分布をまとめたところ,-sideにある資料数が多い傾向を示した。
次に各予測式毎に予測値と実測値間に成立した回帰直線を描いたところ,直線の傾きや相関係数で,女児において一致性が高い傾向にあることが示唆された。また,歯が大きな症例などに対処する予測式を探し出すために,種々の検討を行ったところ,各予測式での資料数が少ないため,どの予測式が適したものなのかを明確にできなかったが,男児ではすべて一傾向にあり,女児にも同一の傾向があり,しかもその誤差も大きいことから,このような症例に,これらの予測式を適用することは,問題があるものと思われた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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