小児歯科学雑誌
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乳歯エナメル質切削面に対するエッチング材の酸処理効果について(I)
細矢 由美子後藤 讓治
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1985 年 23 巻 2 号 p. 455-467

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抄録
種々な深さに切削された乳歯エナメル質面に対するエッチング材の酸処理効果を観察する事を目的に,本研究を行った。資料としては,乳前歯26例を使用し,40%正燐酸で1分間のエッチングと30秒間の水洗を行い,エッチング面をSEMで観察した結果,下記の結論を得た。
コントロール群では,無処理エナメル質面及び高速電気エンジンに装置したポリシングブラシで乾燥下に歯面を研磨した症例のすべてと,低速電気エンジンで乾燥下に歯面を研磨した症例の一部に,小柱構造の出現が観察された。また,エッチングにより小柱構造が出現した症例のすべてにおいて,小柱周囲が強く溶解された像と,小柱構造が極めて不明瞭な像とが観察された。
切削群については,全症例において,エッチング面に小柱構造が認められた。そして,切削群17例中,16例(94.1%)に小柱の周囲が強く溶解された像が認められ,14例(82.4%)に,小柱構造が不明瞭な像が観察された。なお,切削方法とエナメル質のエッチング型との間には,差は認められなかった。しかし,エナメル質の切削部位が,エナメル質の中層から内層に致る症例の方が,外層の症例よりもエナメル質の溶解が強く生じる傾向が認められた。これは,エナメル質の部位による石灰化の差と小柱構造の差に由来するものと思われる。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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