小児歯科学雑誌
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臼歯用コンポジットレジンの臨床観察
幼若大臼歯を対象とした2年後の成績
遠山 孝之高橋 浩次石川 雅章小野 博志
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1986 年 24 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

臼歯用コンポジットレジンの有用性を探るためにクリアフィルポステリアを用いて幼若第1,第2大臼歯計47歯を対象に臨床観察を行った。
観察期間を2年とし,その間リコール毎に口腔内診査,写真撮影およびレプリカ模型用印象採得を行って,経時的な資料を得た。レプリカ模型は実体顕微鏡およびSEMで観察した。臨床的不快事項の発現と推移を調べたところ,次のような知見が得られた。
1)辺縁破折は10例(21.3%)に認められた。10例とも窩洞外に過剰充填されていた部位に発現していた。
2)二次齲蝕は6例(21.8%)に認められた。このうちの4例は予防拡大の不足が原因と考えられ,他に罹患歯質の残留と辺縁破折が原因と考えられるものが各々1例認められた。
3)冷水痛,打診痛を訴えたものが各々1例認められたが,症状は軽微で双方とも自然消退した。
4)辺縁破折や,修復時に迷入した気泡が原因で,形成面の一部が露出した症例では,その部位から周囲へと影響が及び,不良な予後を呈した。
5)着色は,二次齲蝕に由来するものが1例,外来色素の沈着によるものが1例認められた。
6)臨床的不快事項の原因は,本材料の理工学的性質に由来するというよりは,修復術式の不備にあると考えられた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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