小児歯科学雑誌
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各種齲蝕活動性試験法の臨床的比較
第1報 齲蝕現症との関係
細矢 由美子安藤 匡子高風 亜由美池田 靖子加島 知恵子後藤 讓治
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1991 年 29 巻 2 号 p. 308-324

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抄録
3歳から17歳6カ月(平均年齢7歳3カ月)の小児100名に対し,ミューカウント,RDテスト“昭和”,カリオスタットTMを用いて齲蝕活動性試験を行った.齲蝕活動性試験結果と齲蝕罹患状態,齲蝕進行状況並びに齲蝕状況との関係を歯牙年齢別に比較し,蝕活動性試験結果と齲蝕現症との関連性について調査した.
1.被験者全体についてみると,すべての齲蝕活動性試験において,スコアーが高いほど蝕罹患状態も高かった.
2.被験者全体に対する齲蝕活動性試験結果と齲蝕罹患状態との間の相関係数は,カリオスタットとRDで高く,特にカリオスタット48時間値で高かったが,MSBBでは低かった.
3.歯牙年齢別にみた齲蝕活動性試験結果と齲蝕罹患状態との間の相関係数は,齲蝕活動性試験法により異なっていた.カリオスタット48時間値使用時には,いずれの歯牙年齢においても,試験結果と齲蝕罹患状態との間に特に高い相関がみられた.
4.すべての齲蝕活動性試験において,齲蝕活動性試験結果と1人平均C0,C1歯数との間の相関係数は高かった.
5.齲蝕活動性試験結果と齲蝕現症との間の関連性は,齲蝕活動性試験法により異なり,また,歯牙年齢によっても異なっていた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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