小児歯科学雑誌
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小児の咬合音に関する研究
第3報 臨床成績
笹井 浩司周 瑞瑛田村 康夫吉田 定宏
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キーワード: 咬合音, 小児, 咬合異常
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1992 年 30 巻 1 号 p. 164-171

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抄録

小児期における咬合機能の発達を検討する目的で一般臨床で成人た広く用いられている咬合音診査を応用するため,その臨床実験として乳歯列期より永久歯列期までの158名について咬合音採得を行い,そのうち明瞭な咬合音を示した130名について波形の検討を行った。咬合音の採得は両側眼窩下部より市販の咬合音採得用マイクを用いた口外法で行った。被検者には術者の指示により任意タッピングを指示し,各人約30波形の採得を行い,そのうち16波形の加算平均波形を個人データとした。採得された波形についてデンタルステージ別ならびに咬合異常の有無における波形の相違の検討を行い,波形概形および持続時間,最大振幅について検討を行った。その結果,
1)波形概形の検討では,正常咬合群ではII C~III A,III Bにかけてスライディングサウンドが優勢を占めたが,正常咬合群ならびに咬合異常群ともにIII BからIII Cにかけてインパクトサウンドの比率が著しく増大した。また咬合異常群ではすべてのデンタルステージにおいて正常群に比ベインパクトサウンドの出現率は低かった。
2)正常咬合群においては左右差および歯列の成長に伴った咬合音持続時間ならびに咬合音最大振幅の有意な変化を認めなかったが,持続時間に比べ最大振幅における被検者間変動は大きく認められた。
3)正常咬合群と咬合異常群との比較においては,最大振幅において有意な相違は認められなかったが,持続時間において咬合異常群に有意な延長を認めた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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