小児歯科学雑誌
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光重合型コンポジットレジンGRAFT LC IIの臨床的評価(第2報)
西田 郁子牧 憲司森本 彰子橋本 敏昭今村 隆子児玉 昭資赤嶺 秀紀名越 恭子木村 光孝
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1993 年 31 巻 5 号 p. 870-878

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抄録
今回,著者らはC2を有する乳臼歯25本,幼若永久臼歯25本の隣接面窩洞に対し,GRAFT LC IIを用いて修復し,臨床的に観察し,以下のような結果を得た.
1.乳臼歯,幼若永久臼歯ともに修復後1週間という早い時期より辺縁にステップがみられたが,1年経過して辺縁適合性に何ら異常のみられないものはどちらも23例(92.0%)であった.
2.1年経過後,乳臼歯,幼若永久臼歯ともに形態変化が生じたものは1例であった.特に幼若永久臼歯では全体的に変化がみられた.
3.乳臼歯,幼若永久臼歯ともに修復後1週間より着色,変色を認め,1年経過して何ら異常の認められなかったものは23例(92.0%)であった.
4.辺縁部の変色は,修復後1週目より認められ,1年経過して変色が認められなかったのは23例(92.0%)であった.
5.二次齲蝕は,修復後3ヵ月より認められ,1年経過して何ら異常のなかったものは23例(92.0%)であった.
6.修復時歯髄反応を示したものは乳臼歯,幼若永久臼歯ともに1例づつ存在したが,歯髄処置を施すまで臆至らなかった.
7.リコール時に再治療のため歯髄処置を必要としたものが乳臼歯,幼若永久臼歯ともに1例づつ認められた.以上の結果より,光重合型複合レジンGRAFT LC IIは,乳臼歯および幼若永久臼歯の2級窩洞の修復に有効であることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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