小児歯科学雑誌
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下顎骨骨塩定量と下顎底部皮質骨の厚さに関する研究
学童期における臨床的評価
牧 憲司葛立 宏鶴田 靖中島 龍市加来 昭典竹下 尚利高江洲 旭木村 光孝
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1993 年 31 巻 5 号 p. 879-886

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抄録

九州歯科大学附属病院小児歯科外来を受診した6歳児から8歳児で臨床的立場から正常咬合を有し,下顎臼歯部に齲蝕や実質欠損のない男児24名,女児24名の計48名を対象に,パノラマエックス線写真による下顎底部皮質骨の厚さと歯槽骨骨塩量の測定を行い,次の結果を得た.
1.下顎底部皮質骨の厚さの平均は男児において6歳3.26±0.24mm,7歳3,69±0.29mm,8歳3,84±0.31mm,女児において6歳3.41±0.36mm,7歳3.61±0.24mm,8歳3.79±0.21mmであった.歯槽骨骨塩量の平均値は男児において6歳3.33±0.21mmAl,7歳3.49±0.17mmAl,8歳3.86±0.33mmAl,女児において6歳3,43±0.32mmAl,7歳3.58±0.23mmAl,8歳3.87±0.19mmAlであった.
2.下顎底部皮質骨の厚さと骨塩量の男女間のT検定の結果6歳から8歳まで有意差は認められなかった.年齢別のT検定の結果,下顎底部皮質骨の厚さは6・7歳,7・8歳間では有意差は認められず,6・8歳間では8歳が6歳に対し有意に大きな値を示した.骨塩量は6・7歳間では有意差は認められず,6・8歳間,7・8歳間では年齢の高い後者が前者に対し有意に大きな値を示した.
3.被験児48名の下顎底部皮質骨の厚さと骨塩量の相関係数r=0.892であり,各年齢別の下顎底部皮質骨の厚さと骨塩量の相関係教は6歳r=0.914,7歳r=0.708,8歳r=0.953であった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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