小児歯科学雑誌
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咬翼法撮影におけるX線学的研究
X線入射角度による骨梁像の変化
宮本 雄一佐藤 直芳奥村 泰彦
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1994 年 32 巻 4 号 p. 722-732

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抄録
小児歯科臨床で撮影される咬翼法について基礎的実験を行った.歯およびフィルムに対して異なる入射X線角度で撮影された画像について,基準となる画像と比較し相関性を検討した.ヒト乾燥下顎骨大臼歯部とブタ乾燥下顎骨下顎角部骨梁を切り出し,アクリルレジンに包埋後ブロック状にカットし,X線写真撮影の試料とした.このブロックのX軸方向,Y軸方向の角度変化およびフィルム被写体間距離を変化できるシミュレータを作製し,X線写真撮影を行った.撮影された画像をコンピューターで解析し,以下の結果を得た.
1.被写体とフィルムの角度は一定で入射X線の角度が変化した場合,0゜のフィルムと比較すると95%以上の相関値を示し,同一画像と認識される角度は,ヒト乾燥下顎骨でX軸方向では-6゜-+4゜,Y軸方向では-4゜-+10゜,ブタ乾燥下顎骨でX軸方向では-10゜-+14゜,Y軸方向では-30゜-+30゜であった.
2.フィルムと入射X線を固定し被写体だけを角度変化した場合,0゜ のフィルムと比較すると95%以上の相関値を示し,同一画像と認識される角度は,ヒト乾燥下顎骨でX軸方向では-4゜-+6゜,Y軸方向では-3゜-+3゜,ブタ乾燥下顎骨でX軸方向では-12゜-+15゜,Y軸方向では-15゜-+15゜ であった.
3.被写体とフィルム問の距離変化について観察を行った場合,0-30mmまで95%以上の相関値を示した.4.咬翼法のX線入射角度の変化ならびに被写体からのフィルム間距離変化は,通常の咬翼法撮影において,規格的な撮影を行わなくても画像上で骨梁評価を行って問題はないと考えられた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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