抄録
Oculo-dento-digital syndromeは,小眼球症などの眼科異常,鼻翼の低形成による特異的な顔貌および合指症などの四肢異常を主症状とする先天性疾患のひとつである.胎生期における中胚葉性組織の発生異常を原因とする遺伝性疾患であり,その遺伝形式は常染色体優性遺伝が有力である.またその他にも歯や顎骨の形成異常を伴っているので,歯科学的にも注目すべき先天性疾患のひとつである.今回我々が遭遇した初診時年齢4歳の女児では,以下のような興味深い所見が認められた.
1)粗で短い頭髪
2)小眼球症と視力障害および癒合眼瞼分離形成術後
3)左右の手の第4 第5指の合指症分離形成術後
4)下顎骨関節頭および筋突起の形態異常
5)歯の形成不全と矮小化および歯髄腔狭窄化
6)歯槽骨部の異常な垂直的吸収7)〓の先天性欠如.