1995 年 33 巻 3 号 p. 614-623
Odontodysplasiaは,McCallら(1947)により初めて記載された疾患で,非対称性,局所性にあらわれ,エナメル質,象牙質の著しい形成不全と石灰化不全を主な特徴としている. エックス線像で特有な幻影状を呈することからRushton(1965)は,Ghost teethとも呼び,原因不明な特異な形成異常である. 本症は稀な症例で,約100例程度が記載されているにすぎず,本邦での報告はほとんどない. 今回我々は,E CBにOdontodysplasiaを認める3歳4ヵ月の男児の症例に遭遇した. 全身的に発育栄養状態は良好で,手根骨の化骨状態も正常であった.