小児歯科学雑誌
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各種研磨ペーストの研磨効果について-金属板の研磨面からの検討-
渋井 尚武鈴木 克政
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1997 年 35 巻 4 号 p. 583-590

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抄録

現在市販されている8種類の研磨ペーストについて,いずれの研磨ペーストが能率良く研磨でき,しかも歯面を滑らかにすることができるかを知るために,実験的にヒトのエナメル質とほぼ同等の硬さのステンレス板と,セメント質の硬度に近似のアルミニウム板を被検試料として,歯ブラシ磨耗試験機にゴム歯ブラシを取り付けて1000gf/cm2の荷重下で磨耗試験を行った。また,試料の重量測定とともに研磨面の中心線平均粗さと実体顕微鏡による観察を行い,下記の結果を得た。
1)エナメル質に相当するステンレス板に対して研磨性があり,かつその表面を滑らかに仕上げることが出来たのはPP3であった。
2)セメント質に相当するアルミ板に対してはPP1で研磨した場合のみ未処理の表面より滑らかになっていた。
3)RDA170とRDA250はステンレス板,アルミ板を大きく削り取る恐れがあり,使用に際しては注意を要する。
4)CORの研磨面はアルミ板,ステンレス板に大きなキズが付き,しかも研磨性が他のペーストに比べ極端に大きかった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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