1999 年 37 巻 3 号 p. 642-648
3D-CT(three-dimensional computed tomography)は,ヘリカルスキャンによってボリュームデータ採取可能となったコンピュータ断層撮影装置(以下CT装置とする)の普及に伴い,日常臨床の中に容易に利用されるようになってきた。これを利用することにより従来のエックス線写真だけでは観察できなかった立体的な位置関係を明確にすることができ,歯科領域においてもインプラント埋入術や顎変形症手術の術前検査に利用されている。今回著者らは,3D-CTが12歳男児の鎖骨頭蓋異骨症の多数の埋伏過剰歯の抜歯術に有用であったので報告する。