小児歯科学雑誌
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カリオスタット®を用いた齲蝕活動性試験の再現性に関する研究第2報
田中 浩二岡崎 好秀東 知宏Tserensodnum Bazarragchaa東 千登畝福島 康祐松村 誠士下野 勉
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1999 年 37 巻 4 号 p. 838-843

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抄録
幼稚園児を対象として,カリオスタット®検査の再現性について調査した。歯垢を2本の綿棒で採取し,別々のカリオスタットアンプルに投入後,1本(対照群)を即時に,もう1本(実験群)を常温を想定した18℃,24時間保存した後に培養を開始した場合の,両群のカリオスタット判定結果の分布およびその値を比較・検討した。
1.実験群と対照群のカリオスタット判定値の分布は近似しており,両群間に有意な分布の差は認めなかった。
2.本条件においては,歯垢採取から判定までの経過時間は,カリオスタット判定値に影響を与えなかった。
3.実験群と対照群のカリオスタット判定値は高度の相関関係を示し(P<0.01),一致率は24時間値で42.3%,48時間値で46.5%,72時間値で52.1%であった。また,判定誤差は±0.5が多く,両群の判定結果は近似していた。以上より,カリオスタット検査は,18℃ で24時間保存後に培養を開始した場合でも臨床応用が可能であることが示唆された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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