小児歯科学雑誌
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幼児における齲蝕活動性試験(Dentocult-SM®Strip mutans,Dentobuff®Strip)簡易法の信頼性について
森主 宜延金城 幸子小椋 正
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2001 年 39 巻 1 号 p. 110-115

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抄録
2歳から5歳の幼児84名を対象に,パラフィンワックス咀嚼をせずに行ったDentocult-SM®Strip mutans(以下DSMs)とDentobuff®Strip(以下DBs)簡易法の信頼性について検討した.DSMsについては,4歳未満児群において,簡易法と通法の値の一致率は55.8%,±1の範囲では85.3%であった.4歳以上児群において,一致率は44%,±1の範囲では78%であった.DBsについては,簡易法と通法の値の一致率は4歳未満児群では28.6%,4歳以上児群では28.3%であった.なお,DBs簡易法では,95%以上がスコア3(high)であった.DSMsでは,両年齢群において,Pearson's相関係数,Spearmanの順位相関を用いても簡易法と通法の値は有意に相関していた(P<0.0001).一方,DBsでは有意な相関を示さなかった.DSMs簡易法とDSMs通法は,4歳未満児群において,齲蝕指数(CSIとdmf)と有意な相関を示し(P<0.01,P<0.05),4歳以上児群においては,DSMs通法のみが齲蝕指数と有意な相関を示した(P<0.05,P<0.01).以上より,DSMs簡易法は,4歳未満において信頼できる方法であることが示唆された.しかしながら,DBs通法は,結果の包括的分析から齲蝕活動性試験として特異性が示唆されないため,その有効性に疑問を残した.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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