抄録
低粘度コンポジットレジンのプリベンティブ・レジン・レストレーション(PRR)への臨床応用を検討する目的で,新しいフロアブルレジンのパルフィークエステエライトLV(トクヤマ)とレジン接着システムのワンナップボンドF(トクヤマ)を抜去ヒト大臼歯に形成した窩洞および抜去ヒト小臼歯の裂溝に応用した.そしてその接着性を,サーマルサイクリイングテスト後の辺縁封鎖性によって,従来のコンポジットレジンシステムのRestorative Z-100(3M)およびシングルボンド(3M)と比較した.その結果,窩洞と裂溝いずれにおいても,ワンナップボンドFと比較してシングルボンドが有意に辺縁封鎖性に優れていた.また,窩洞においてはいずれの接着システムにおいても使用レジンによる差は認めなかった.これに対し,ワンナップボンドFでは,裂溝における辺縁封鎖性が窩洞と比較して有意に劣っていることが明らかになった.これらの結果より,ワンナップボンドFはエナメル質接着のためのエッチング効果が不充分で,とくに裂溝においては顕著であることが予測された.
従って,PRRにおいて,窩洞および裂溝にフロアブルレジンの応用は可能であるが,接着システムとしてはセルフエッチングプライマー系(ワンナップボンドF)よりも,リン酸エッチング・ウェットボンディング系(シングルボンド)との併用が望ましいことが明らかになった.