小児歯科学雑誌
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当外来診療室で行われている手指消毒の効果の評価
術者の手にフィットしたゴム手袋装着の必要性
西村 美智子三宅 香平野 慶子Ji YingHulan UlamnemekhRodis Omar. M. M松村 誠士下野 勉
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2001 年 39 巻 3 号 p. 532-536

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抄録

院内感染対策を静じる際,無視できないことのひとつに手洗い,または手指の消毒が挙げられる.本研究の目的は,当外来診療科で行われている手指の消毒方法によって,一般細菌が完全に除去できてを評価いるかすることである.当診療科では,非滅菌手袋を装着し,75%povidone-iodoneで消毒を行い流水中でpovidone-iodoneを洗い流し,ペーパータオルで拭き取り小児の治療にあたっている.なおストがセメント練和など,診療中はアシの諸事を行い,術者が患児とのみ接するようにしている.診療後は使用したゴム手袋は捨て手洗いを行う.
本研究ではゴム手袋を装着しない状態とした状態で,手洗いをしない,水洗いのみ,固形石鹸を用いた手洗いと75%povidone-iodoneを用いた手指の消毒後,ペーパータオルで水分を除去してからBrain Heart Infusion寒天培地に接圧後培養した.その結果,ゴム手袋を装着しない状態ではいずれの方法でも一般細菌を取り除けなかった.ゴム手袋を装着した場合は75%povidone-iodoneで,完全に取り除けるが,術者の手にフィットしていない手袋を選んだものは流水のみ,固形石鹸を用いた手洗いでも完全に一般細菌を取り除けない者もいた.またフィットしたゴム手袋を装着した場合水洗いのみで一般細菌を取り除ける者もいたことは.この,ゴム手袋が必要であり,また手指や手袋の皺が一般細菌の除去に大きく関与しており選ぶ際も,ゴム手袋を,自分の手のサイズに良く合ったものを選んだ方が良いことを示唆していると思われる.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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