抄録
小児期における顎関節部の成長発育に関する研究は試料収集の困難さから未解明な部分が多い.今回,著者らは特に下顎窩の成長発育に注目し,本学中央画像検査室所有の小児のCT像をもとに三次元構築を行い,各計測点ごとに比較検討を行った.対象は6歳から12歳の小児,28症例56関節とした.その結果以下の結論を得た.
1.左右関節結節間距離,左右関節後突起問距離は,年齢よりも体重とやや強い相関を示した.
2.FH平面と下顎窩の各計測点(関節結節最下点,関節窩最深部外側限界点,関節後突起最下点)間の垂直距離は左右関節結節間距離,左右関節後突起問距離および体重に比べ,年齢との相関がやや強かった.
3.年齢および体重に対するFH平面からの垂直距離の相関は関節後突起最下点よりも関節結節最下点間の方が強かつた.
4.FH平面と下顎窩各計測点間との垂直距離はそれぞれ互いに強い相関がみられた.