抄録
著者らは,中学生の歯周状態を把握するため,広島市内の中学生を対象として,1994年および1999年に調査し,歯科保健指導を行った.対象は1994年に在籍していた生徒355名と1999年における生徒350名とした.歯周状態の評価にはOral Rating Index(ORI)を用いて行い,調査年別,学年別,男女別に検討を行った.なお,検診後に生徒自身のORI値による評価を知らせ,1992年から1994年までは検診後に1時間程度の歯周疾患に関する講義を行った.なお,1995年以降は歯周疾患に関する資料「保健室便り」を配布した.
1.ORIの平均値は,男女別および全体で1994年より1999年の方が有意に高かった(p<0 .001).特にORI値が+1以上のものの割合は,1994年には男子12.4%および女子27.5%であったのに対し,1999年にはそれぞれ32.6%および65.7%であった.
2.ORIの平均値は,いずれの学年においても男子より女子の方が有意に高かった(p<0 .001).
3.1994年における男女別のORI平均値は,学年間で有意な差を認めなかったが,1999年には男女共に学年が上がるにしたがって上昇した.
以上より,「保健室便り」を活用したORIによる歯周保健指導が生徒の口腔衛生意識向上の一助になると推察された.