抄録
成長発達期における叢生と顎骨の前後的大きさとの関係を明らかにするため,Hellmanの歯齢IICからIVAにかけて経年的に得られた叢生者の側貌頭部X線規格写真を用いて,上下顎骨歯槽基底部の前後的大きさの成長発達変化を調査研究し,以下の結果を得た.上顎歯槽基底部前後径を示すA'-PNSは男女ともIICでは叢生群は正常群よりわずかに小さい程度だが,IIIA以降で小さい傾向が明らかになった.下顎歯槽基底部前後径を示すABR'-B'は男女ともIICでは叢生群は正常群とほぼ同じ大きさであったが,IIIA以降で小さい傾向が明らかになった.
以上の結果から,叢生者の上下顎骨歯槽基底部の前後的大きさはIIIA以降では正常群より小さい傾向が明らかになるが,IICではまだ違いが明瞭でないことが示された.