抄録
レーザー齲蝕診断器DIAGNOdentTMを用いて乳歯と永久歯の齲蝕象牙質の状態が測定値に及ぼす影響と感染象牙質除去の判定に本装置の使用が有効であるか否かを観察した.視診,触診とエックス線診査により,C0からC2と診断された平均年齢7歳4か月の患児17名の乳歯41歯,43部位と平均年齢13歳10か月の患者41名の永久歯70歯,73部位をKaVo社のDIAGNOdentTM(チップA)で測定した.同一部位を5回ずつ測定し,平均値を求めた.視診,触診,エックス線診査とDIAGNOdentTMの測定値に加え,歯を切削して治療を行った場合については,感染の範囲を確認して最終診断を行った.統計処理には,ANOVA,Fisher's testもしくは相関係数の検定(P<0.05)を用いた.得られた結果は下記のとおりである.
1.最終診断名がC2の場合の術前測定値ならびに軟化象牙質除去後の測定値と軟化象牙質の色,硬さ,乾・湿の状態間の相関関係を比較した結果,術前の測定値と軟化象牙質の状態間に有意な相関がみられた.乳歯については,乾・湿と術前測定値間に有意な相関がみられ,乾燥しているほど測定値が高かった.永久歯については,色および硬さと術前測定値間に有意な相関がみられ,色が濃く,硬いほど測定値が高かった.
2.最終診断名がC2の部位に対する術前と軟化象牙質除去後の測定値の平均値は,乳歯が28 .3と6.3,永久歯が225と6.4であり,乳歯と永久歯間に有意差はみられなかった.