小児歯科学雑誌
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上顎正中部に過剰歯がみられた一卵性双生児の2例
國松 明日香小笠原 榮希石田 万喜子渡辺 滋子本川 渉
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キーワード: 過剰歯, 遺伝的要因, 双生児
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2002 年 40 巻 3 号 p. 557-564

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抄録
前歯部の精査を主訴として来院した男児双生児と,齲蝕治療を主訴として来院した女児双生児の上顎前歯部に,ともに過剰歯が認められた2例について,以下の所見を得た。
1.男児双生児には,それぞれ2歯ずつの過剰歯(兄に逆性1歯,順性1歯,弟に順性2歯)が認められた。
2.女児双生児には順性の過剰歯が,それぞれ1歯ずつ左右対称的に認められた。
3.摘出された過剰歯の形態は,兄弟の4歯の過剰歯のうち3歯は円錐形であったが,1歯は類切歯形であった。姉妹の過剰歯は両者とも蕾状であり,同胞問で形態的類似性が認められた。
4.過剰歯の成因には,遺伝的要因が強いと考えられた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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