抄録
薬剤師は、医療安全をベースに薬物療法に積極的に関与することが期待されている。診療報酬に「病棟薬剤業務実施加算」が設定されたが、日本病院薬剤師会のアンケートでは、その施設申請に伸び悩みがみられた。医療用医薬品の管理者である薬剤師は入院時、患者の医薬品服用状況を確認し、薬物動態を考慮して、使用中の薬が腎臓や肝臓、口腔内、嚥下などに悪影響を生じていないか確認し、また同時に栄養状態の把握に努めることが重要である。多くの病院で入院患者の医薬品使用状況が確認できる体制であるが、病棟に薬剤師を配置することが難しい場合でも、静脈栄養輸液を含めて適切な処方管理体制を整えることが重要であると考える。今後は、地域包括ケアを実践すべき地域ごとのニーズを捉えた取り組みが求められる。その中で病棟薬剤師は、病棟の患者のみならず、切れ目がない継続した薬物療法を提供するために、地域にも目を向けて医薬品の適正使用に努めなければならないと考える。