幽門側胃切除術後縫合不全の治療は栄養管理, 残胃の減圧, ドレナージが重要である.
今回, 術後縫合不全の患者に対して PTEGを施行し, 経腸栄養と残胃の減圧を行った. 症例は既往に慢性腎不全で維持透析を行っている67歳女性. 食事摂取不良, 低蛋白血症を認め, 精査で胃癌, 胆嚢癌と診断されたため, 手術施行した. 術後縫合不全を併発したため, 経皮的ドレナージを施行後に PTEG造設術を行った. PTEGの造設孔より2本のチューブを挿入し, 経腸栄養と残胃の減圧を行った. 栄養状態は著明に改善し, 減圧も良好であり, 造設後14日で縫合不全は改善した.
PTEGで経腸栄養と残胃の減圧を行うことは縫合不全の治療に有用と考えられた.
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