2016 年 31 巻 5 号 p. 1109-1113
短腸症候群 (SBS) の予後改善には適切な経腸栄養管理による静脈栄養からの離脱が必要になるが、栄養処方設計において残存腸管の吸収能を評価することは重要である。我々は非侵襲的かつベッドサイドで反復可能な動的指標として間接熱量測定 (IC) による経腸栄養剤投与前後の安静時エネルギー消費量 (REE) と呼吸商 (RQ) の変化に着目した。短腸症候群小児症例2例に対して間接熱量測定を行い、補助的な血液検査と併せて吸収試験としての有用性を検討した。2例ともに経腸栄養後に安静時エネルギー消費量の上昇と投与したエネルギー基質から予想される呼吸商の変化を示した。 測定方法や測定値の解釈などにさらなる検討を要するものの、本法は個々の症例の栄養処方決定に有用と考えられた。