2016 年 31 巻 5 号 p. 1114-1117
栄養素の消化・吸収障害をきたす疾患(吸収不良症候群)において,小腸や膵臓の機能を評価することは,病態を明らかにし,適切な治療を行う上で非常に重要である.これまで臨床的に小腸や膵臓の機能検査はバランススタディや画像検査が中心に行われていたが,近年,安定同位元素(stable isotopes)を用い,簡便で侵襲が少ない小腸や膵臓の機能検査が可能となってきた.保険適用の問題があるものの,広く普及することで複雑で困難であった吸収不良症候群の診断や治療に寄与することが期待される.