日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
救急領域の脂肪乳剤使用の現状
神應 知道
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2018 年 33 巻 2 号 p. 742-746

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抄録

脂肪は細胞膜の組成、その構造への修飾、エイコサノイドやサイトカイン合成、遺伝子表現の調整などの複雑な修飾を通し生体において重要な役割を果たしている。海外の救急領域では、n-6系多価不飽和脂肪酸(n-6PUFAs)の有害効果を減らすため中鎖脂肪酸や、オリーブオイルのような脂肪乳剤や、n-3系多価不飽和脂肪酸(n-3PUFAs)を投与する研究がおこなわれているが、最近の脂肪乳剤の臨床試験の結果は議論の余地がある。一方、我が国は、n-6PUFAsの脂肪乳剤しか使用できない現状のなかで、2016年に発表された日本版重症患者の栄養療法ガイドラインから脂肪乳剤の推奨方法を示した。最後に、救急領域ではトピックスである薬物中毒患者の蘇生における脂肪乳剤の役割を紹介した。

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© 2018 日本静脈経腸栄養学会
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