日本門脈圧亢進症学会雑誌
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臨床研究
血小板低下症例に対するラジオ波焼灼術後腹腔内出血の検討
廣岡 昌史越智 裕紀小泉 洋平徳本 良雄阿部 雅則池田 宜央田中 宏明日浅 陽一恩地 森一
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2013 年 19 巻 2 号 p. 125-128

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抄録
血小板数が5万/μL未満に低下した症例においてラジオ波焼灼術後に起こる腹腔内出血について後ろ向きに検討をした.血小板数5万/μL未満でRFAを施行した77例88結節を対象とし血小板数5万/μL以上の1298例1411結節をコントロールとした.血小板数5万/μL未満の群での平均血小板数は4.0±0.7万/μLであった.治療直後のモニタリングをドップラー超音波検査と造影超音波検査にて行った.抜針5分後に出血を疑う症例は7例(10.0%)にみられた.これらの症例には穿刺部に対し再度焼灼を行った.治療終了3時間後にヘモグロビンが2.0g/dL以上低下した症例は1例もなかった.血小板数5万/μL未満の症例では出血のモニタリングを行うことで出血の合併症を回避できた.コントロール群では2例に腹腔内出血がみられた.血小板数5万/μL未満の症例は5万/μL以上の症例に比べ腹腔内出血の合併症頻度に差はみられなかったものの,治療直後には超音波検査で高率に出血があり,出血の危険性は高い.このため治療後の出血の有無をモニタリングすることが重要である.
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© 2013 日本門脈圧亢進症学会
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