日本門脈圧亢進症学会雑誌
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臨床研究
胃静脈瘤に対する腹腔鏡下Hassab術の手技の工夫
川中 博文赤星 朋比古松本 佳大吉田 佳弘長尾 吉泰橋本 直隆吉田 大輔金城 直山口 将平富川 盛雅吉住 朋晴前原 喜彦
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2016 年 22 巻 4 号 p. 251-258

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抄録

胃上部血行郭清と脾摘を組み合わせたHassab術は,すべての胃静脈瘤に対して有用であるが,腹腔鏡下で行う場合,術中出血などのリスクが高くなるだけでなく,不十分な血行郭清で終わってしまう可能性もある.安全かつ効果的な腹腔鏡下Hassab術を行うためには,胃静脈瘤の血行動態の理解が必要不可欠である.当科では,胃静脈瘤に対する低侵襲外科治療として,標準化された安全な腹腔鏡下脾摘術の手技を基本とし,胃静脈瘤の血行動態に応じて,従来通りの血行郭清を行う腹腔鏡下Hassab術だけでなく,短胃静脈や後胃静脈が胃静脈瘤の供血路である症例には,腹腔鏡下脾摘術に加えて胃大弯側血行郭清のみ行う腹腔鏡下petit Hassab術を行っている.本研究では,腹腔鏡下Hassab術を12例,腹腔鏡下petit Hassab術を15例に施行し,全例で胃静脈瘤は消失し,平均観察期間47か月で再発・出血は経験していない.以上より,胃静脈瘤に対する腹腔鏡下手術は有用であり,左胃静脈が関与しない胃静脈瘤に対しては,胃小弯側の血行郭清を省略する腹腔鏡下petit Hassab術も胃静脈瘤治療として許容できると考えられた.

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© 2016 日本門脈圧亢進症学会
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