【目的】C型慢性肝疾患(CHC)に合併する脾腫と造影USで得られる肝血流バランスの関連性を検討する.
【対象と方法】対象は約6年間でSonazoid造影USを施行したCHC 159例.Sonazoid静注後40秒間,右肋間走査で肝S5-6領域と右腎の染影動態を記録した.記録した動画から,染影開始5秒までを赤色,5秒以降を黄色に色分けするような設定で肝実質血流のArrival time Parametric Imagingを作成し赤色面積の割合(ROR)を算出した.その後,各症例から得られた脾臓のサイズとRORを対比した.
【成績】脾腫ありとなしの症例のRORはp=0.059と有意な差は認めなかった.またRORと脾腫の相関については,その係数が0.29であり相関は弱い結果であった.
【結論】肝炎の病期進行に伴い門脈優位から動脈優位へと変化する肝血流バランスの変化は脾腫の程度と相関するがその関連性は弱いものであった.
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