日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
PSE後の門脈圧低下は動脈径から予測できるか:血行動態モデルを用いたPSE前後の門脈圧変化予測
荒木 拓次今泉 瑛岡田 大樹佐々木 優大西 洋
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2021 年 27 巻 4 号 p. 271-278

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抄録

【目的】PSE前後門脈圧変化を動脈径から推定し実測値との相関を検討した.【方法】PSE 13例でPSE前後の肝静脈圧と楔入圧の圧較差(HVPG)を算出,PSE後CTで梗塞率を算出,PSE前腹腔(CA),上腸間膜(SMA),脾(SA),総肝動脈(CHA)径を計測した.門脈血流モデルは(1)門脈圧は動脈血流で規定,(2)全血流はCAとSMAから供給,比は半径のx乗に比例,(3)CA血流はSAとCHAの比で分割,(4)SA血流は梗塞率で減少とした.流体力学からx値:4,3,2.33,2の時の推定門脈圧低下率とHVPG低下率を比較した.【結果】平均脾梗塞率は57.5%,HVPG低下は2.7 mmHg,HVPG低下率は19.1%となった.平均推定門脈圧低下率はx=2の時23%,p値0.046でHVPG低下率と相関があった.【結語】PSE前の動脈径測定と梗塞率から門脈圧低下率を予想できる可能性がある.

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© 2021 日本門脈圧亢進症学会
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