2022 年 28 巻 2 号 p. 177-182
食道静脈瘤に対する予防的治療として血管内注入法であるEIS(EO法)もしくはEISLが施行された124例を対象に,内視鏡所見から供血路を推定できるか検討した.評価項目は,食道静脈瘤の存在部位(時計軸)と供血路の関係,各症例における食道静脈瘤の主要供血路,および,供血路を形成する各静脈の頻度,とした.左胃静脈は全方向の静脈瘤に関与していたが,特に食道前壁から右壁の静脈瘤に強く関与している傾向であった.また,後胃静脈は食道左壁の静脈瘤に関与していた.食道静脈瘤の供血路は左胃静脈111例(90%),後胃静脈9例(7%),左胃静脈+後胃静脈4例(3%)であった.主要な供血路は左胃静脈であり,その他,後胃静脈が関与していた.内視鏡所見から食道静脈瘤の供血路を推定し,供血路と関与が強い静脈瘤に対するEIS(EO法)が可能と示唆された.このことは静脈瘤治療戦略立案に大きく寄与するものと考えられた.