2022 年 28 巻 2 号 p. 183-187
肝硬変症においてはさまざまな合併症が認められる.門脈大循環シャントの発達によって食道静脈瘤や胃静脈瘤はよくみられる合併症である.中でも胃静脈瘤は破裂した場合,内視鏡的止血術が食道静脈瘤破裂に比べて止血に苦慮することも多く,止血術後も再発破裂を繰り返すこともある.本症例は胃静脈瘤破裂による吐血を3回繰り返し,内視鏡的止血術では治療的限界を感じていたところに造影CT画像上胃腎シャントの発達を認めたため,Balloon-occuluded retrograde transvenous oblitalation(BRTO)を施行した.胃腎シャント周辺には細かい側副路の発達も認めたが,BRTO変法のCoil-Assisted Retrograde Transvenous Oblitalation II(CARTO II)を施行したところ奏功して胃静脈瘤および胃腎シャントを消失させることができた.